お稽古場というものにも慣れてきて少しセオリーみたいなものが出来上がって
きていますので、脳内の整理をするついでに、私がお稽古で大切にしていることを
ここに書いておこうと思います。2023年6月の松永がこのようなことを考えていたことを、未来の自分に向けても記しておきます。
まずなにより100%伝えたいことが伝わることはないということです。
50%伝わればいいかなって思って指導しています。
理由の一つ目は、そもそも日常会話でも全て理解してもらうのも大変なものを、
お稽古の場では特に難しいということ。
二つ目は、習熟しているほど専門用語を使用していしまうということ。
生徒の茶道習熟度なんてものは人それぞれなのですから、相手に合わせて
言葉も選ばなければならないこと。
三つ目は、その日教えたことをすべて持って帰って、次回までに覚えてきてもらうなんてことは不可能であること。
上記三点が話半分伝わってくれれば御の字と考えている理由であります。
それでも、私はなるべく50%マックスで教えたいものですから、
上記の問題点に対して、
一つ、伝わるまで何度も伝えること。
二つ、表現の方法をたくさん試すこと、子供でも分かる言葉遣いをすること。
三つ、同じ内容を生徒さんに伝わるまで何回でも伝えること。
を心がけています。
ある種の諦観をもって先生としてお稽古に臨むことで、瞬間的に起こる
指導ポイントを逃さず捕まえることができると思います。
前回教えたポイントが今回できていないことなんて、私自身もそうでありましたし
当然のことです。
生徒さんにはわからないことは同じことでも何度でも先生に聞いてもらいたいです。
先生というのは生徒の知的好奇心をうれしく思うものですから、遠慮はしてほしくないですし、させないような指導態度を心がけていきたいものです。
私はこのようなことを考えながら三味線も、茶道も教えてます。
もちろんこれだけではありませんが、一番言語化しやすい事柄でしたのでブログに
のっけてみました。
またある程度思考が固まったら改めて別の事柄についても書いていきたいと思います。
松永 泰輔/宗泰